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【心臓の居場所TOUR】7/17(月祝)梅田shangri-La−LBA LIVE PRESS−
  • 7/17(月祝)梅田shangri-La
  • ライブレポーター:ナカニシ さん
【心臓の居場所TOUR】7/17(月祝)梅田shangri-La−LBA LIVE PRESS−

7/17(月祝)梅田shangri-La
ライブレポーター:中西 風海香 さん

これほど「生きていること」、「死ぬこと」を考えながら聴いたライブはあっただろうか。生と死が共存している。そんなライブだった。

LEGOのライブには何回か行かせてもらっているが、今回のライブは会場を後にすることがより難しかった。終演後、私は放心状態で、メンバーが去ってからも足がなかなか動かなかった。良かった、と一言では表せない、たった一言で終わらせてはいけない。様々な思いと感情が入り混じっていた。

「未来」で幕を開け、視界が一瞬で開けたような感覚。透き通るような照明と曲が合わさって、LEGOにしか作れない世界が広がった。

儚くて美しい「fin.」。一人一人の心に直に訴えてくるようなキンタの声で胸が締め付けられる。

リズム隊のセッションでは、あの場にいた誰もが2人の虜になっただろう。まさにバンドの縁の下の力持ちが主役になった時間だった。(シンタロウがどや顔をしていて、大ちゃんのリズムを聴き忘れるという、おっちょこちょいな場面も。)

演奏ももちろんだが、魅力はそれだけにとどまらない。MCでは、毎回会場を沸かしている。

今回も、地元大阪での公演ということもあり、MCが弾む。

「今日はすごくキレイですよ。あ、顔ちゃうで。ここからの景色がね。」と毒舌炸裂なヒロキ。

おまけに「東京では、大阪のバンドやと思われてないのよ。シュッとしてるから。」と自分で言って、自分で笑ってしまう(照れている?)一幕もあった。

ライブ終盤に差し掛かり、「美しい遺書」が始まる。メロディーも美しく、間違いなく幸せな時間なのに、私は何故か“曲が終われば、皆このまま死んでしまうのではないか”という不思議な気持ちになった。ヒロキが言っていた、“メンバーもファンもいつ死ぬか分からない”という言葉と相まって、曲の終わりを迎えることが怖いと感じた。

そして最後の曲、「居場所」。実は、ライブ最初から喉の調子が良くなさそうだったキンタ。サビから始まるこの曲も、声が掠れてしまう。すると、導かれるかのようにファンが一緒に歌い出し、キンタを後押しする。

アーティストとファンの境界線がなくなった。そんな瞬間だった。「一体」という陳腐な言葉では物足りない。メンバー4人とファンが、その空間に溶け切っていた。

生きているから声の不調もある。生きているから一緒に声を出して歌うことができる。とても人間味の溢れるライブだった。

「居場所」を聴いている間、終始涙がこみ上げていた。キンタの透き通る歌声、ヒロキの歌っているかのようなギターの音色、シンタロウの芯のあるベースライン、大ちゃんの力強いドラム。それぞれに色があって、どれも欠かすことができない。すべてが揃って、LEGO。

4人に、4人の音楽に出会えたことを改めて感謝した日だった。

あるMCで、ヒロキが「悲しい時、嬉しい時、通勤や通学、寝る時...どんな時にもLEGOの曲がみんなのそばにあれば嬉しい。」と語っていた。私にとって、すでにLEGOは毎日を彩る存在で、4人の音楽が鳴る場所が「心臓の居場所」である。