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【心臓の居場所TOUR】9/2(土)梅田QUATTRO−LBA LIVE PRESS−
  • 9/2(土)梅田QUATTROk
  • ライブレポーター:ニシオ さん
 9月に入り秋の匂いがした梅田CLUB QUATTRO。ツアーセミファイナルとなるこの日のチケットはソールドアウト。
7月の大阪ワンマンではカナタさんの声の調子が悪く本人に取って悔いの残る日となっていたので、この日は8月に溜めたエネルギーを大爆発させた雪辱編となった。

そんな彼らが1曲目に鳴らした曲はアルバム最後曲の『未来』だった。
「ハロー グッバイ ハロー 未来」の声と共にLEGO BIG MORLが手を引き、明るい未来へ導いてくれるくれるようなオープニングだ。

だが"何かが起きる"大阪。
今回はヒロキさんのギターアンプが壊れてしまう事件が起きた。
異変に気付いたカナタさんが自分のギターをヒロキさんに手渡した。
カナタさんのギターを弾くヒロキさんは、小学1年生のランドセルのようにどこか恥ずかしそうにも見えるが、1人で2人分のギターを弾く姿は誇らしかった。
歌詞を大きな体で表現するカナタさんの慣れないハンドマイクは、オーディエンスを盛り上げるセンスがあるという新発見もあった。
トラブルにも最善の対応を取れることは11年間このメンバーでバンドが続いているLEGO BIG MORLの強みだろう。

そして恒例となりつつあるリズム隊のセッション。
シンタロウさんが持つベースの弦を大ちゃんがスティックで叩くところは、2人の波長が合うからこそ為せる技だ。

大阪ならではの地元MCの後には『RAINBOW』。
この曲の持つ力を改めて思い知らされる。
“雨の後に虹がかかる”。そんなありふれた言葉に重みがあるのは、今ではセンターで元気よくギターを弾く彼がいるからだろう。

終盤の『最終回は透明』『あなたがいればいいのに』『美しい遺書』。
いつだって少し先を照らし続けてくれたLEGO BIG MORLが作り出す唯一無二の世界観に、一音も聴き逃したくないと無意識のうちに全身に力が入る。
どこを切り取っても美しく切ない曲に心が揺れる。

アンコールでは12月公開の映画『デメキン』で初めての描き下ろしを行った『一秒のあいだ』を初披露。
男のロマンが詰まったたくましい歌詞と爽やかなメロディー、そして4人のアンサンブルが凄まじい渦を生み出していく疾走感溢れる曲。発売が待ち遠しい。

最後は『居場所』で締めくくった。
アウトロで堪えることの出来ない涙で私の居場所を見つける。ここが私の心臓の居場所だ。
LEGO BIG MORLがあり続けるまでこの心臓を止めたくない。

4人が照れるほど止まることのなかった拍手が、この2時間の美しさを物語っていた。
心臓の居場所というアルバムをリリースし、バンドの居場所をこじ開けた彼らの明るい未来を確信した。流れの早い日本のロックシーンを限りある命の中で飛び回り泳ぎ切ってくれるだろう。
…くそーーーこんないいライブが1300字に収まるわけないっ!!!